ワイヤーとラジオペンチ1本で、様々なものが作れるワイヤークラフトは、手軽にできるクラフトとして、とても人気があります。
今、多くの人が、ワイヤークラフトを学んでいます。
それはつまり、教えている人も多いということですね。
そんな中、自分の作った作品に似ているとか、自分が教わった先生の作品にそっくりだというクレームを言ってくる人がいたようです。
アカデミーの卒業生が安心してのびのびと活躍するために、そういうつまらない問題をクリアにしようと思い、弁護士の先生に意見を聞きに行きました。
ワイヤークラフトは、基本的に「U字」「カール」「留めつけ」の3つの組み合わせで、ワイヤーを自分の思い通りに加工して作品を作っていきます。
作りたいものが同じであれば、形が似てくることもあります。
それにクレームを言うことは、全く見当違いの行為であることをこれから説明しますね。
例えば、世界的に有名な画家のピカソ。
もしも、あなたが、ピカソの作品をそっくりそのまま似せて描き、それを販売したら、どうなると思いますか?
はい、全く問題ありません。
「ピカソの絵に似せて私が描きました」と言えば、あなたの作品として販売することができます。
もちろん、あなたが描いたにも関わらず、ピカソが描いた作品だと偽って販売したら、それは詐欺行為ですから立派な犯罪です。
つまり、絵そのものに特許や商標のようなものは存在しません。
あなたが絵の具を使って描いた絵は、誰の絵に似ていても、あなたの作品です。
それと同じで、ワイヤークラフトも、あなたが作ったものはどんなに他人の作品に似ていても、あなたの作品として堂々と教えたり、販売したりしてください。
前述のクレームを入れた人というのは、あるワイヤークラフト協会の生徒さんなのですが、そこの一番上の先生が、自分の作ったものをそのまま似せて作ることを生徒さんたちに禁止しているのです。
だから、他人が、その先生の作品に似たものを作っていると、法律違反でも犯したかのような錯覚に陥ってしまうのでしょう。
それは、小さな小さなコミュニティの中で決められた規約でしか無いということです。
小さなコミュニティの中でしか通用しない規約なのですが、いつしかそれが、世間一般にも通用する常識のように勘違いしてしまうのですね。
ワイヤークラフトの作品自体で特許を取ったり、商標登録をしたりすることは不可能です。
書籍や音楽CDではないので著作物でさえありません。
例えば、ロープを使って見たこともない結び方をしたら、それに著作権を主張できると思いますか?
ワイヤークラフトもそれと同じです。
誰かの作品を見て、きれいだな~と思って自分も作ってみたら、そっくり同じになってしまった。
それで構いません。
それを自分の作品として売ろうがどうしようが、それはあなたの自由です。
そういうことを気にせず、自由に作品を作ることができるのも、ワイヤークラフトの良いところです。
とは言え、やはり、ワイヤークラフトのアーティストとして、あなた独自の、あなたらしい作品を作ってくださいね。
あなたの作品を気に入ってくれた人が、それを買ってくれたり、教えてほしいと言ってくれたりすると、本当に嬉しいものです。